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宿 -甘雨

(2018-02-14)
こんにちは。バレンタインですね。

縁がある方も無い方も、
ゲームの中では大忙しの方も、
宝くじを貰った侍もいると思いますが、
当ブログでは…宿を更新しまーす。いえーい。
これは僕の僕による、僕の為のお話と言ってもいいくらい、
個人的に好きな話なので気が向いたら更新されるのじゃ。

今までのお話はこちらから。
宿 -雨宿り
宿 -愛煙消えん
宿 -蝉時雨
宿 -秋冷
宿 -合縁奇縁
宿 -咲き乱れ
別に続き物じゃないのでどこから読んでも良いです。
というかこれ毎回貼らなくてもよくない…?

続きは追記から。
今回はスマホで下書きしないで書いているので、
どうなることやらって感じです。



今日もいつもとなんら変わりの無い、ごく普通の平日である。
しかしまるで特別な、そう、クリスマスだとかハロウィンだとか、
そういった名だたるイベントに並ぶような一日として、
老若男女を問わず色めき立つ変わった日である。
この日に宿に来るような男は、よっぽど女性に縁が無いか、
それか私から何か貰えるのではないか、と期待しているかのどちらかだろう。
勿論、私が提供するのはこの体と珈琲くらいなので、
後者なら肩透かしを食らうこととなるだろう。
花屋なんかはかなりの数貰うらしく、去年はお裾分けに来たくらいだ。
自分が貰ったのだから、他人に食べさせるのはどうなんだと言ったが、
「彼女たちは渡すという行為自体を楽しんでいるのであって、
それを食べてもらうことに思いを馳せる子は少数派っすよ」
と返された。それを女の私に言うのはどうなんだ、と思ったが、
確かに本気で思いを伝えるなら言葉も添えるか。渡すイコール告白にはなるまい。
花屋に本気になる女もいるのではないか、とも思ったが、
あまりそういった話題を彼は好まないので言わなかった。

予想に反して、夕方になっても客は来なかった。
花屋はまだ仕事中だから良いとして、誰も来ないというのは珍しい。
おかげで二冊も本を読み終えることができた。
個人的には一か月ほど誰も来なくても構わないのだが、
その間ずっと話し相手が居ないというのも些か退屈かもしれない。
そんなことを考えつつ、三冊目に手を伸ばしたところで、インターホンが私を呼んだ。
「はいはい」
特に急ぐことも無く、私はゆっくりと玄関に向かう。
テーブルの上に本が置いたままだが、別に良いだろう。
ドアを開けると、そこに立っていたのは意外な人物だった。
「…こんにちは」
「おや、今日はどうしたのかな?」
不眠症のお姫様が、あの夏の日のように、
儚げに、美しく佇んでいた。

「今日はこれを渡しに」
ソファに座った彼女は、私に紙袋を手渡した。
少し重たいその中身が気になったので、了承を得て確認した。
「ほう…中々いい趣味をしているじゃないか」
中には、珈琲豆とマグカップが入っていた。
芳醇な香りが鼻孔を擽る。恐らく、私が普段飲んでいるものよりも濃く、
苦みの強いものだろう。今から淹れるのが楽しみだ。
マグカップはクジラのイラストが横向きに描いてあり、
取っ手が潮吹きを模している。内側が黒いため、
珈琲を飲んでも黒ずむことを心配せずに済みそうだ。
「珈琲が好きな人に贈るのはどうかと思ったんですけど…」
「いやいや、とても嬉しいよ。ありがとう」
「本当は、あの後すぐにお礼をしようと思ったのですが」
「お礼ならその体で良いのに」
そう言うと彼女は少し目を大きくして、冗談ですよね?と言った。
本気で嫌がる素振りを見せないので、本気にしても良かったのだが、
如何せん彼女は普通に男性が好きだと言っていたので、やめておこう。
「あ、お花飾っているんですね」
空気を変えるためか、話題を変えてきた。
一昨日に花屋が来たばかりだったので、その花はまだ飾られていた。
花の名前は忘れてしまったが、確か花言葉は再会がどうとか、
そんな感じのものだったような気がする。
「常連がよく持ってくるんだよ」
「…へぇ。お花屋さんかなんかなんでしょうかね」
…?なんだろう、まるで確信があるかのような反応だ。
あの花屋のことだ、広く浅い交友関係の中に彼女がいても不思議ではない。
守秘義務があるわけでもないが、花屋であることを明かす必要もないだろう。
私は適当に、花が好きなんだろうな、とだけ言って濁しておいた。

小一時間ほど会話をして、彼女は帰っていった。
少し雨が降り始めていたので、沢山ある傘の一つを貸すことにした。
今度はこれを返しに来ますね、と微笑む彼女に、
友人として遊びに来てくれても構わないよ、
と言ってハグをしてから見送った。自分で言っておいてなんだが、
私には友人が数えるほどしかいない。もし彼女にその気があるのなら、
それはありがたいことなのかもしれない。

…そういえば、彼女が彼氏と別れたのは三年前だったな。
そして、花屋が来るようになったのは二年前だ。
流石に考え過ぎか、と私は苦笑し、リビングへと歩を進めた。
そして先ほど手を伸ばしかけた三冊目の本を手に取り、
花屋が来ることを期待せずに待つことにした。

はい、敢えてバレンタインとチョコ、この2つの言葉を使いませんでした。
深い意味は無いです(笑)

まさかの再登場、夏のメランコリックなお嬢様。
彼女には南足真暗という立派な名前があるのですが…。
今回も名乗りませんでしたね。今度は名乗ってもらおう。

花屋と関係があるのか?みたいな感じになっていましたが、
ツキモエの考えすぎ…なんですかねぇ?
よくわかんないですけど、ノープランで書いたので短いですね。
いつもの宿の、更に合間のストーリーみたいな。

ところで彼女はどんな本を読んでいるんでしょうかね?

それでは~
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プロフィール

リューニャー

Author:リューニャー
メール:whale_in_the_cup?yahoo.co.jp
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生息地 北海道
職業  保育士
性別  男(23歳)
読書とゲームが好きです
PSPo2iインフラは9月29日に終了しました。
PSO2 シップ1
漫画冊数:現在不明
Twitterやってます。
→@mukootoaoto(ブログ更新情報も見れるよ!)

リンクフリーです。
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