宿 -愛煙消えん

(2016-06-20)
こんにちは。今日は夏至ですね。

Googleのトップを見て気づきました。

今日も雨だったわけですが、
都会では空梅雨で、水が不足しているとか。
水が止まるかもしれないらしく、
怖いですね。本当に。

北海道は雪解け水とかもあるので、
水には困りません。

さてさて。
昨日CDを10枚借りまして、
何枚か聴いていたのですが、
ふと『宿』の続きを書きたくなり、書きました。
おかげで今日は少し寝不足気味(笑)
※宿…リューニャーの書いた小説っぽいもの。
前に書いたものはこちら→宿 -雨宿り

今回はですね、
前回よりも更に中身がありません。
彼女がどういう人間なのかの説明?的な。

一応全年齢対象ですよー。多分。



ふと、耳元でカチャッ、ジッ、という音が聞こえる。
そしてふぅっと息を吐く音。私と寝た男が服を着て、
溜め息を吐いた音…ではないな。昨日は誰も来なかったのだから。
「確かにここはなんでもありだが、喫煙だけはいただけないな」
私はソファから体を起こし、いつ入ってきたかわからない男に注意をする。
「おおっ!?起きてたのか…?」
「起きていたら何か不都合でも?…まぁ、今目が覚めたんだがな」
男は革ジャンの胸ポケットから携帯灰皿を取り出し、
一瞬しか吸っていない煙草を眠らせた。
灯りは消え、部屋の戸は閉められた。
「一度消すと、次に火を点けても不味いんだよなぁ…」
「ふぅん?」
「ま、良いか。俺はあんたの噂を聞いて来たんだ。
なんでも、タダでヤらせてくれるとか」
こういうことは珍しくはない。過去に『宿』を利用した男が、
誰かに吹聴するのはよくあることだ。それに、それは事実であり、
そのことに関しては最早否定のしようもない。
「そうだな。無料で、なんの許可も断りもなく、
お前の欲求を満たせることは事実だ」
好きにすればいい、とだけ私は言い、ソファに倒れる。
天井を見ると、禁煙にして長いというのに、そこそこ黄色くなっている。
長く留まった男が喫煙家だとこうなるのか。
男の味も苦くなるし、やはり煙草は好きになれない。
「いや、待ってくれ…なんていうかな、ちょっと思ってたのと違う」
そう言って男は、私の倒れているソファに腰掛ける。
すんでのところで、私に触れない位置に。
「淫乱な女でも想像していたか?
それとも好みとは違って萎えたか?」
「…もっと馬鹿だと思ってたんだよ」
少し意外な解答が返ってきた。
「それは当たっているよ。私は中学が最終学歴だからな」
しかも不登校気味だったから、尚更学校で教わるようなことは頭に入っていない。
だから道徳とか倫理に疎いのかもしれない。なんて、そんなことは生き方には関係ないのだが。
「勉強ができるとか語彙力が豊富とか、そういう賢さとは関係なくてさ…
なんていうかな、あんたは馬鹿って感じじゃないんだよ」
「いやいや、自分で言うのもなんだが、
賢さの対極にあるような生き方をしているよ」
「そんなの…俺こそ馬鹿な人生を送ってるよ」
そう言い、男は半笑いをしながら私の顔を見る。
ああ、今まで見てきた男にもこんな顔をする奴がいたな。
半分笑っていて、半分悲しそうな顔だ。
かける言葉も見当たらないので、取り敢えずキスをしておこう。

「ミュージシャンになりたいんだ。だから就職もしないで…
バイトで食い繋いで…馬鹿みたいに夢をずっと追いかけてるんだ」
先程私と重なった唇を動かし、彼は『馬鹿な人生』の説明をした。
私はいつも通り珈琲を淹れ、自分と男の前に置く。
「私は、それでも夢を追うのは悪いことではないと思う。
自分で馬鹿だとわかっているなら尚更な」
「就職もしてないのに、か?」
「私は一度も就職なんてしたことがない。
更に言えば夢なんて見たこともない」
寝ている時以外はな、と付け加え、珈琲を啜る。口の中に広がる苦味。
この感覚はもう何度目だろう。たまにはブレンドを変えてみようか。
砂糖やミルクを用意しても良いかもしれない。
「…いつからそうやって生きているんだ?」
「その質問には答えられない。道徳的観点からな」
答えたようなものか。中学を卒業してから、
進学も就職もしていないともう話しているのだから。
「本当に夢を見たことないのか?
何かやりたいと思ったことはないのか?」
「やりたいと思ったことはない。
やれることがたまたまこういうことだっただけだ」
誰と寝たって特に何も感じないのだから、向いていたのだろうな
…と言ったところで、彼は私をソファに押し倒した。随分と急だ。
今のやり取りの何処かに情欲を駆り立てる何かがあったのだろうか。
「あんたは…それで本当にいいのか…?」
声が震えている。私の顔に雨が数粒落ちた。
どうやら彼の瞳から雨漏りしているらしい。
「私のために泣いてくれるのか?」
「あんたのためなんかじゃない、これは…」
彼は何かを言いかけて、止めた。言及するのも野暮だ、黙っていよう。
彼の首に腕を回して、体を起こしてキスをした。
珈琲のせいなのか煙草のせいなのか、苦い。
「苦いな、本当に」
「禁煙するよ、俺」
「それがいい、ミュージシャンなら喉が大事だろうしな」
「それもそうだな」
男は笑って、胸ポケットから携帯灰皿と煙草を取り出し、ごみ箱へ投げ捨てた。
燃えるごみとしてそのまま捨てても良いのだろうか、これ。
そんな私の困惑を他所に、彼は珈琲を飲み干してソファから立ち上がった。
「ありがとうな。なんていうかすっきりしたよ」
「私は何もしていないよ」
本当に何もしていない。私ができる唯一の行為をしていないのだから。
せいぜいキスをしたくらいだ。
「あんたは…あんたが思うほど馬鹿でも、
ましてや何も無い人間なんかでもないよ」
そう言って、彼は出ていった。

「おや…どうやら私も雨漏りしているみたいだ」
私のような人間を泣かせている場合ではないだろう。
今度は万人を泣かせる歌でも歌えばいい。

夢は、叶えてこそ夢なのだから。

えー、実は前に雨宿りを書いた時に、
コメントをいただいたんです。
そのコメントが確実に真実を抉っていてびっくり。
語彙力の無さがーみたいな(大雑把)。

最終学歴が中学という設定を最初から念頭に置いていたので、
あっさりバレた!と思いましたね(笑)

最後の「夢は、叶えてこそ夢なのだから」という台詞、
お前(彼女)が言ってもなんの説得力もないよ!!
と自分でツッコミながら書きましたが、いかがでしょうか。

今回は彼女がどんな人間で、
どんな生き方をしてきたのか…に焦点を合わせてるの?(知らん)

前回より読みにくいかも!ごめんなさい!

それでは~
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リューニャー

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